木・・・優しくて力持ち
山から伐りだされた木はその後も何百年も生きています。例えば桧は伐り出されてから三百年位が一番強いと言う実験結果が出されています。
千二百年以上たった法隆寺の木でさえ今伐り出したばかりのものより強いのです。
建築材料としての木が生きている証拠です。
鉄やコンクリートは作った時点から弱ってきます。
引っ張り強度、熱の遮断性、湿度の吸収性など
鉄やコンクリートの何倍も強い木は、
人間にとって根本的に優しい素材であると言えます。
衣・食・住といわれます。このうち、衣と食は普段のものであり、それぞれの関心も高く、毎日のようにマスコミに取り上げられています。住も、毎日そこに住んでいるのですから、普段のものといえばいえます。けれども、家を建てるとなると、これは普段のことではありません。人は一生のなかで、およそ少ない経験しか持てません。
住宅会社の営業マンから、これが最新の住宅です、などと耳打ちされると、そうかなぁー、と簡単に信じてしまいがちです。
住宅の性能表示がいわれるようになりました。
性能が高いといわれると、それが唯一、
住宅の評価を決める基準であるかのように思いがちです。
しかし、性能だけが住宅の良し悪しを決める絶対基準とはいえません。
性能問題は、その時代の技術レベルの問題なので、無視しては通れませんが、それを住宅の格付けに用いるような動きは、十分に警戒してかかるべきです。
性能の数値だけをとらえるのではなく、使い勝手のよさや、空間の心地よさも忘れてはなりません。それらの総和が住宅だからです。
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